PLC Migration Example: Mitsubishi FX3 → Siemens S7-1200

なぜ今、SIEMENSのPLCを学んだのか

実は、随分前から SIEMENS という名前が、なんとなく格好いいと感じていました。
いつかは扱ってみたいと思っていたのですが、日本で仕事をしていると、客先から SIEMENS を使いたいという依頼が来ることは、まずありません。

それは少し面白くないな、ということで、年末年始の休みを利用して SIEMENS の勉強をしてみようと、S7-1200 という PLC を購入してみることにしました。

PLC のラダーや ST 言語を身につけるには、やはり実際に使ってみるのが一番です。
そこで昨年、炭酸飲料水の製造装置のソフトを 三菱電機 の PLC で制作したのですが、それを SIEMENS に移植してみることにしました。

IO の点数は少ないものの、アナログ入力があり、計測値を記録し、それを演算して装置を動かす──という、ちょうど手頃な仕様だったのです。
動作も把握していますから、同じようにラダーを書いて、同じように動作するかを確認する作業は、PLC の癖を理解するうえでとても役に立ちます。

なお、使用したツールは TIA Portal です。
体験版はツール名で検索すれば、すぐにダウンロード先が見つかるでしょう。インストールすれば、21 日間、制限なしで利用できるようです。

ただし、OS のバージョンが少し古い場合、Windows 11 ではうまく動かないことがあります。私は休眠していた PC を Windows 10 にダウングレードしてインストールしました。
このあたりはバージョンによって状況が異なるはずです。なお、現在の TIA Portal の最新バージョンは 21 のようです(2026.1.20 時点)。

ラダーを実際に打ち込んでみての感想は、以下のとおりです。

縦や横に長いラダー回路は扱いにくい

FC、FB を使うことが前提の設計思想に感じられる

演算処理は ST 言語を使ったほうがかなり楽

日本メーカーで言うと、オムロン に近い感触

ただし、オムロンよりも変数の設定や扱いは簡単な印象

DB(データブロック)の概念は、日本の PLC にはあまり見られない

といったところでしょうか。
ある程度の設計力があれば、SIEMENS のソフト設計にそれほど苦労することはないように思えます。

日本の技術者に SIEMENS について聞くと、「苦労する」という話をよく耳にしますが、単純に 三菱電機 や キーエンス に慣れすぎているだけではないか、というのが正直な印象です。
先に述べたとおり、オムロンにある程度習熟していれば、SIEMENS でもそれほど戸惑うことはないのではないでしょうか。もちろん独特の癖はありますから、その点については慣れが必要だとは思いますが。

実際、ラダーを打ち込み、動作確認まで行うことができました。
ある程度理解が進めば、「数ある PLC のひとつ」という認識に落ち着くのではないかと思います。世界で 30% ものシェアを持っているそうですし、これが扱えるようになれば、食いっぱぐれることはなさそうです。
私としては、「海外製だから難しい」という先入観が、一番のハードルだったように感じました。